銃/悪意の手記/掏摸

今年になって上記三冊を読んだ。
勢いがあり、読者を引き込んで読ませる魅力と力量のある作家だなと思う。

デビュー作の銃は会話文の違和感が大きく少々読み辛かったけど、
掏摸は格段に読みやすくなっている。
三作とも文章も構造もシンプルであっという間に読めてしまう。
少々物足りなさも感じるものの、その分、

主題に集中できて分かりやすいのかな、とも。

 

掏摸では描写や表現に凝ろうと努めているように感じたけれど、
若干主人公の直裁な視点と乖離しているようにも思えた。
物語にもうひとつ奥深さを持たせるには比喩や演出は必要なのかな、
という感触。

とりあえず、次は王国読む予定です。

 

掏摸(スリ)

掏摸(スリ)

 

 

薔薇の名前

いつか読むぜ本リストのなかから、ようやっと読了。
序文のみこむのに時間かかったけど
本文(?)は読みやすかったです。面白かった。

中世ヨーロッパにもキリスト教にも詳しくないので
いちいち単語の意味とか検索しつつ読み進めるのも楽しかったです。

上巻の寓意画についての対話や
下巻の善悪について(ものすごく乱暴なまとめかた)など
ホルヘとのやり取りは特に興味惹かれるものが多かったですね。


おまえの解釈が気に入らない = 悪
ていう二次創作あるあるみたいだった。
この場合の原作は聖書!

ウンベルト・エーコの著作はこれがはじめてだったけど
面白かったので他の本も読んでみます。

 

薔薇の名前〈上〉

薔薇の名前〈上〉

 
薔薇の名前〈下〉

薔薇の名前〈下〉

 

 

犬と魔法のファンタジー

田中ロミオマスターの小説なのでもちろん面白い(信者並感)

 

文章が軽妙洒脱なので適当に開いたページ読むだけでも楽しめます。
学生の日常ものINファンタジー世界(現代)という感じで、
絵面にするとあまり動的ではなく、地味に淡々と進みます。

 

ファンタジーという世界設定もあってか、
後半までどんな展開になるのか掴みづらかった。
キャラクタも多いし関係図も興味深くて、
これ一冊で完結させるつもりではなくシリーズ物の予定なのかな?
と思ったりもしたのですが。

 

最後はきっちりしっかり完結。
そしてちょっと泣ける。面白かったです。

 

犬と魔法のファンタジー (ガガガ文庫)
 

 

秋クール

BANANAFISH
 夏から引き続き。
 あいかわらずフィッツジェラルド作品の副題が多い。

 フィッツジェラルド好きなんで毎回楽しみ。
 アニメの雰囲気にも合ってると思う。

 原作はヘミングウェイのがイメージ合うけど。

■獣になれない私たち
 うーん。多分後半がらっと動きそうなので、
 8話ぐらいからまた見ますね。


昭和元禄落語心中
 あっ、期待以上に面白いです。
 与太郎も八代目八雲もアニメ版見たのかな。
 声優さんの演技を意識しているようにも思えた。

■Thuderbolt Fantsy 東離劍遊紀2
 待望の2期。面白いです。
 一話一話があっという間に過ぎてしまう。

 不患どのはもてもてだなあ。
 諦空は論理さえ成り立ってればどちらにでも転びそうで展開が楽しみ。