琅琊榜感想(1)
*ネタバレ留意してません
やっと見終わった琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~全54話。
この大河ぐらいあるボリュームを
中国だと1ヶ月で放送したんですね。スゴイネ(凡感想)
日本の大河ドラマはひとりの一生メインに
(何なら生まれる前から死んだあとしばらくぐらいまで)
60~80年程度を描くわけですが
琅琊榜は回想除くと作中2年しか経過しません。
案外終盤まで人死にもなくて、結果、同じ人が出続ける。
新キャラも度々登場はするのですが、
ずっと同じ人たちを見続けるので、敵味方、脇役問わず愛着が湧きました。
システムとして善人悪人の区別がはっきりしていて
(主に主人公から)悪と断ぜられたキャラは最後まで悪です。
ちょっと情にもろかったりコミカルで可愛らしい演出があったとしても
そこは変わりません。
長い話の中で、登場シーンの多いキャラなんかは
成長だったり変化だったりあるのかなと思いつつ視聴していたので、
その点は個人的にちょっと残念。
他の華流ドラマは見たことないので、
他作品での描かれ方がどうなのか気になるところではある。
用語や風習など最初のうちは取っつきにくかったですが
慣れてしまえば話自体は分かりやすく、引きがうまくて
先が気になる作りになってます。
私は週末ごとに数話というペースでのんびり数ケ月かけましたが
続きが気になってしかたなかったです。
*内容言及しますね
あ、原作の小説は未読でドラマの記憶頼みで書いてるので
解釈ずれてることいってるかも(予防線ぺたぺた)
―――― 私の推しはふたりとも死んだ。
先に述べたとおりどのキャラも愛着湧いていて。
なかでも陛下&高湛さんコンビは癒し。
高湛さんはいい意味で裏切られたキャラだったなー。
権力者の顔色だけ見て態度変わる小物の腰ぎんちゃくという印象だったのに
(それもあながち間違いではないのですが)クレバーな可愛いキャラだった。
高湛さんは宦官のトップ(太監総なので多分)で、
宮廷は権謀術数渦巻き魑魅魍魎跋扈する場が常態だと認識している、
そのうえで上々の選択/結果になるように留意している人物。
基本的に自分の意見を述べることはせず
愚かそうに笑って皇帝の気を宥める。
その高湛さんが最後に「いいえ」っていうの
すごく感慨深かった。
じゃあ謝玉さんの話するね。
私の最推しです。筋の通った気品すら感じる悪役です。
大変良い。
夏江さんも誉王も品のある悪役だと思いますが、
謝玉さんは序盤から一貫して己が信念のもと悪事を主導した人物。
蒞陽さん(奥さん)にだけは執心していて、
その蒞陽さんから「死んで」言われてもブレない生き汚さ&かっこよさ。
それがまさか死亡シーン描かれずに退場なんてね……。
我が子のことも愛してないのに
奥さんにだけは弱い&情があるのですよね。
その奥さんの手に入れ方も卑劣なので
愛と呼んでいいのかどうかは兎も角。
奥さんは結ばれるのが難しそうな、
それでも好きな男性が他にいるのですが、
若かりし日の謝玉さんに媚薬酒をもられて
力ずくで落とされてしまう。ひどい。
なので奥さんは謝玉さんのこと愛してはいない。
家族同然の人間を騙してあくどいことをやっているのも
知っている。つまり尊敬できる人物でもない。
それでも長年夫婦でいて、子供もいる。
妻であることの責任と幾ばくかの情。
ちなみに奥さんは皇帝の妹で権力もあり、気品ある高潔な女性。
謝玉さんはそんな彼女に惹かれ妻にするけど、
心までは手に入らない。
高潔な彼女が卑劣な謝玉さんのことを好きになったら、
それはもう謝玉さんの焦がれた蒞陽さんではなくなってしまう。
なので永遠に彼女の矢印は謝玉さんに向かわない。
この形が完成形という、
もう大変好みの関係でした。
女性キャラでは蒞陽さんが一番好きです。
謝玉さんに自害用の刀渡すシーン最高だった。
あと誉王のこと景桓って呼びつけて、条件迫るシーンもよかった。
静妃も大好きですが、この人はちょっと完璧すぎでは?
ってなっちゃう時もあるのだった。
謝玉さんのことにたぎってしまい
なんか思ったより長くなってしまった。
なので、ちょっと分けて書こうと思います。
謝玉さんの、緊張感のある面持ちもよいですよね。
柔らかな役の演技とかも見てみたいな。